1. 鏡筒を選ぶ
まずは、天体の見え方を左右する天体望遠鏡の鏡筒部分を選びます。
鏡筒選びで、見える天体の種類や見え方、扱いやすさが変わるので、初心者の方はとくにしっかり選ぶことが大切です。
光学タイプで扱いやすさや価格が決まる
鏡筒には、屈折式・反射式という大きく2つの光学タイプがあります。
―屈折式―
屈折式は、レンズで光を集める望遠鏡です。
接眼レンズが天体と同じ向きになっていて見つけやすく、メンテナンスも簡単なので初心者向き。鏡筒内の空気の動きが少ないため、安定してコントラストの良い見え方が特徴です。
ただし、レンズ構造が複雑で重く高価になりがちなのがデメリットとなります。
―反射式―
一方の反射式は、鏡で光を集める望遠鏡です。
接眼レンズが本体の横に垂直方向についていて扱いが難しく、振動でずれた光軸のメンテナンスも必要なので、中~上級者向きといえるでしょう。
にじみや歪みが少なく、暗い星でもはっきり見えます。高性能で口径が大きいものでも比較的低価格で手に入ることもメリットです。
その他に、屈折式と反射式を組み合わせたタイプなどもありますが、やはりメンテナンスが必要で基本的には中~上級者向きとなります。
初めての天体望遠鏡でしたら、扱いやすい屈折式がおすすめです。
口径(有効径)で明るさが決まる
天体望遠鏡の口径(有効径)とは、対物レンズや鏡の大きさを示す数値です。
口径が大きいほど光をたくさん集められて視野が明るくなるので、暗い天体まで観察することができます。
また、天体を高倍率で見たい場合にも、口径の大きさが重要です。
天体望遠鏡の倍率は接眼レンズの交換で変更できるのですが、倍率を高くできる上限は口径の大きさ(mm)の2倍程度までと決まっています。倍率の上限を超えると視界が暗くなりピントが合わないので、高倍率で見るなら口径も大きくする必要があります。
暗い天体や遠くの天体を観測したい場合には明るさが重要となるので、口径が大きめの天体望遠鏡がおすすめです。
ただし、口径が大きい天体望遠鏡は大きく重くなってしまうので、保管や持ち運びに不自由しない程度のものを選びましょう。
2. 架台を選ぶ
天体望遠鏡の鏡筒を選んだら、続いて本体を乗せる架台を選んでいきます。
鏡筒を安定して保持する役割の架台ですが、目標の天体を見つけやすくする機能や自動で天体を追尾する機能などがついているものもあります。目的に合わせてタイプや機能を選びましょう。
経緯台か赤道儀かは目的で選ぶ
架台には、経緯台と赤道儀の2種類があります。
―経緯台―
経緯台は、水平と垂直の2方向に動くタイプの架台です。
構造がシンプルなので、軽量で操作しやすく比較的安価になっています。
ただし、天体は時間の経過で移動してしまうので、一つの星の動きを追い続けるのは難しく、長時間露光での撮影をしたい方などには不向きです。
―赤道儀―
一方の赤道儀は、地球の自転の動きに沿って動くタイプの架台です。
事前に極軸を天の北極に合わせておけば天体の日周運動に合わせて観測ができるので、一つの天体を長時間観測・撮影したい方に向いています。
ただし、構造が複雑なので初心者には操作が難しく、重く高価なことがデメリットです。
気軽に天体観測をしたい初心者さんには経緯台、本格的な観測や長時間露光撮影をしたい中~上級者さんには赤道儀がおすすめです。