ペットの代表ともいえる猫です。近年は犬を抜いて人気ペットとなっていますが、飼い方や条件が難しそうなイメージがあります。ですがウサギやフェレットなどと比べてもお世話の頻度は大差ないと思います。
猫のお迎えには、ペットショップやブリーダー様からお迎えする場合と、保護猫としてお迎えする場合があります。ペットショップやブリーダー様の猫ちゃんは血統書付きで10万円~30万円ほどしますが、どうしても飼いたい猫種であればそちらでお迎えをされるのも良いと思いますよ。
ですが、今回は子供さんが拾って帰って飼い始めるパターンを想定し保護猫中心に紹介させていただきます。
猫を飼える環境と心得
猫を飼いたいと思っても、まずは飼える環境でなくてはなりません。また、心得ておきたい点もありますのでご確認ください。
- お住まいがペット可であるか
- 毎月のエサや猫砂などの費用がかかる
- 病気やケガで通院や入院する事がある
- 10~15年生きる事を理解している
- 壁や床を傷つける事がある
- 夜中に運動会が始まる(全ての猫ではないです)
- 子供などアレルギーが出る場合がある
以上ですが、それを上回る可愛さと癒しが猫にはあります。また、子供さんには家族や兄弟のような存在にもなりますので、検討されてはいかがでしょうか?
保護猫を迎い入れる方法
保護猫をお迎えする方法は何通りかあります。
- 保健所経由でお迎え
- 動物保護団体からお迎え
- 里親サイトや掲示板でお迎え
- 捨て猫を拾いお迎え
大まかには4パターンですが、各パターンで流れも違いますので注意してください。
各お迎え方法での流れや注意点
保健所
保健所からのお迎えは各自治体で対応も違うかもしれませんが、一般的には保健所へ直接出向くか保健所の保護犬猫サイトを見て問い合わせるパターンがあります。保健所のサイトには写真や年齢も載っていますので好みの猫ちゃんが探しやすいです。ですが、必ず身分証の提示や飼育経験の有無、住所の確認と飼育できる環境の確認などが行われます。
動物保護団体
保護団体からのお迎えは、よく地域で譲渡会が開かれていますのでそちらを利用する事が多いと思います。ですが保護団体により譲渡の条件が厳しく、飼育環境は当然ですが家族構成や飼育される方の年齢、年収、月一程度の報告や保護団体の方の訪問など、保健所に比べかなり厳しい条件になります。また、ワクチン代や寄付が必要な団体もありますので必ず確認してください。
里親サイト・掲示板
里親サイトもいくつかありますので内容を必ずお確かめの上ご利用ください。
一般の方が投稿する里親サイトでは、そのサイトのDMを利用し譲渡日時を決め譲渡する流れになりますが、必ず譲渡契約書を交わす決まりになります。ですが、猫ちゃんのお迎えにはこちらが一番スムーズで問題も少なく済むと思います。
注意点としてはサイトにより諸経費や寄付が必要な場合もありますので、最後までご確認頂きますようお願いします。
捨て猫、迷い猫をお迎え
お迎えまでの経緯は様々なのでしょうが、もし捨て猫や迷い猫を保護し飼いたいと思うのであれば注意して頂きたい点があります。
まずは保健所や警察署に問い合わせをし、保護した猫が飼い猫ではないか確認します。飼い猫が逃げ出し迷子になっている場合もありますので、もし飼い猫であれば届け出をして一時預かり飼育という形になります。
次に、生後どれくらいの猫ちゃんかを確認してください。目も開いていない子猫ならミルクになりますので、付きっ切りで飼育する事になります。生後1週間ほどの子猫は2~4時間おきにミルクを与えます。その後、生後3週間くらいまではミルクで育て1カ月くらいから離乳食に変えていきます。
ご参考に専門のサイトもご確認ください。ユニ・チャームペット
自力で走れるくらいになっていれば、エサは一般のキャットフード(子猫用、離乳食など)でも大丈夫なのでエサについてはそれほど難しくありません。
お迎え後に必ず行う事
特に拾った猫の場合は必須になりますが、まずは動物病院へ連れて行きましょう。そこで血液検査や健康診断を受けます。
また、ノミやダニの駆除も重要です。自力で猫用シャンプーやクシなどで駆除しようとしても完全には居なくなりません。病院で投薬してもらうかノミ駆除薬を買い投与する方が効果的です。できれば月に一度は行いましょう。
子猫の場合、ワクチン接種もお忘れなく行ってください。生後2カ月くらいで1回、それから1カ月おきに2回、計3回のワクチン接種が必要です。理由としては、母乳で育っていない子猫は免疫力が低く病気に掛かりやすくなっています。大きな病気にかかり病院で治療を受けるより、ワクチンの方が金銭的にも負担が少ないのでワクチン接種は行いましょう。
生後半年を過ぎた猫ちゃんは、去勢・避妊の手術を受けさせる場合があります。オスの場合は成猫になるとマーキングを始めますので予防に、メスの場合は繁殖期に大声で鳴き始める事と病気の予防もかねて行う場合があります。
ただし、手術後は太りやすい体質になりますので、エサの量をコントロールする必要があります。好きなだけ食べさせたいところですが、猫の健康の為にも気を付けましょう。
避妊・去勢手術後用のキャットフードもありますのでそちらをおすすめします。
猫用品
飼育に必要な猫用品を紹介します。あった方が良い物もありますので判断は飼い主さん次第です。
主な用品
- 猫用ケージ
- キャットタワー
- 爪とぎ
- エサ用の食器
- 給水器
- トイレ
- キャットフードやおやつ
- 爪切り・グルーミングブラシ
猫用ケージに関しては、生後半年までの子猫がお留守番をする際に必要です。また、ケージ内にトイレやエサの食器、給水器を設置すれば飼育場所もコンパクトになりますのであると便利です。
キャットタワーについては、あれば良い程度で大丈夫だと思います。ですが猫は高いところに登るのが大好きなので、生後半年を過ぎると色々な場所に登り始めます。それを防ぐ意味で設置する場合もあります。
爪とぎは必須アイテムです。無いと必ず壁などで爪とぎを行います。ですが注意点もあり、素材が縄・段ボール・カーペット生地など猫の好みもあり、また設置場所を間違うと使わない場合もあります。また、数多く設置すれば良いものでもなく、設置数が多いと逆にどこでも爪を研いでいいと猫が思い込むようで注意してください。
エサ用食器に関しては100均などの食器でも大丈夫ですが、猫の体格に合わせた高さで選びましょう。成猫が低い食器でエサを食べると前かがみになり食べにくいので。給水器もお皿やボウルで可能ですが、ケージ取り付け可能な給水器もあります。
トイレは必須アイテムです。タイプが色々あり今はシステムトイレが人気です。
エサについては様々な種類が販売されています。子猫用、避妊・去勢手術後用、1歳から用などどれを買えば良いのか迷ってしまいますが、ポイントは主成分で選ぶ事で穀物が多く含まれている物やカラフルな物は避けた方がいいです。
爪切りやブラシはできれば揃えて欲しいアイテムです。特に爪切りは定期的に行いますので、専用の爪切りを揃えておく方が良いと思います。
おすすめの用品
おすすめの用品を紹介します。ペットショップやホームセンターなどで販売してある物もありますので、価格のご確認を頂きお安いお店で購入ください。
キャットケージ
こちらのケージは小さいサイズで子猫用です。生後半年以上になったら扉を取り外し、自由に出入りできる状態でトイレとエサの場所、寝床用として使用する事をおすすめします。生後半年以上でもケージを使用する場合は最初から大きいサイズのケージを購入された方が良いです。
爪とぎ
こちらの爪とぎは子猫用のトイレと合わせれば、スペース的にケージ内に設置できるようになっています。子猫時期には高さも丁度いい感じです。
エサ用食器と給水器
こちらはケージに直接取り付けるタイプの食器と給水器です。固定されていますので容器を倒したりする心配がありません。食器はボウル部分だけ外れ給水器も取り外しでき洗浄できます。
トイレとトイレ砂
子猫用のトイレになります。小さいケージで飼い始める場合には丁度いい大きさです。
こちらは成猫用になります。
どちらもシステムトイレになり、オシッコは下段のペットシートに吸収されます。臭いは殆どなく1週間に1度シートの交換が必要です。砂はウッドチップになっており一般的な燃えるゴミで出せます。(自治体により確認が必要)
キャットフード
キャットフードは猫ちゃんの健康状態にも関わってきますので大変重要です。選び方のポイントとおすすめの銘柄をご紹介します。
キャットフードの価格は殆ど原材料で決まります。原材料に含まれるたんぱく質(肉や魚)が多ければ高くなり逆に穀物などの炭水化物が多くなれば安くなります。スーパーなどでも今は販売されていますが、格安のキャットフードはタンパク質が少なく穀物でかさ増ししてある商品が多いので注意してください。
では穀物が多いとダメな理由ですが、本来猫は肉食動物で肉や魚のような動物性たんぱく質を必要とし逆に穀物のような炭水化物は少量で大丈夫だからです。製品パッケージに表記されてある原材料表で一番目に表示されている原料がその商品に一番多く含まれている原料です。この表記の一番目に穀物が表示されている商品は避けましょう。
今はグレンイフリーと言ってタンパク質たっぷりの商品も多くなってきています。ですが、価格も一般のキャットフードに比べ倍以上なのでちょっと手が出しにくいです。
そこで値段もお手頃のおすすめキャットフードを紹介します。メーカーはピュリナワンです。
1歳までの子猫用はこちらです。
こちらは1歳からのグレインフリー
避妊・去勢手術した猫の体重ケア
以上3種類になりますが、殆どのペットショップで取り扱っていると思います。またホームセンターやスーパーなどでも見かけますので探してみてください。他にも下部尿路の健康維持などあります。価格も一般のキャットフードと変わりないので良いと思いますよ。
今と昔の飼育の違い
昔の飼育といえば、サザエさんのタマのように半ノラ状態で飼うことが普通でした。昔は家の防犯も今ほど厳重ではなかった為、裏口から猫が出入りするなど当たり前のようでした。
ですが今は殆どの家庭で猫を飼育する場合、完全部屋飼いが当たり前になっています。猫の安全を考えれば部屋飼いが良いと思いまが、少々デメリットもありますので、その点も把握しておいてください。
デメリットとしては、爪切りは必須になる事です。外で走り回る猫は自然に爪も削れてきますが、部屋飼いの猫は爪が削れることが無いので伸び続けます。月に一度は爪切りをしてください。
もう一点は、運動不足になり易くなります。やはり外とは違い運動量が少ない為、肥満の原因にもなりますので注意してください。
猫の性格など
保護猫は猫種で言うと雑種(家猫)になります。その家猫と言われる猫にも様々な毛色があり、それに伴い性格にも違いがあると言われています。ですが、本来家猫の祖先は同じ猫種であったため、共通した性格が多いようです。
家猫は一般的に病気に強いと言われ飼いやすいのですが、性格はとにかく元気でやんちゃな子が多いです。走る、跳ぶ、上る、噛む(甘噛み)、引っかくなど猫本来の行動をとる感じですね。その理由の一つが先祖猫の影響だと言われています。
もともと先祖猫は海外から輸入船のネズミを退治する目的で船に乗せられ入って来ました。その輸入船で最初に日本に入ってきた先祖猫は飼い慣らされたリビアヤマネコだったそうで。
このリビアヤマネコが日本の家猫の起源だと言われています。画像はリビアヤマネコですが見る限り、完全に日本の家猫とそっくりです。
このリビアヤマネコが船から逃げ日本で繁殖し広まったとされています。
その後、ペットとして日本に様々な猫種が輸入され始め、その海外種とリビアヤマネコの血を引く日本猫の間で繁殖が始まり現在に至るようです。
中には輸入猫の血が強く出た家猫もいますが、家猫の毛色はリビアヤマネコと同じキジトラ柄が一番多いそうです。
一概には言えませんが、家猫でも短毛な子は元気でやんちゃな子が多く、長毛の子は少なからず海外猫の影響を受けていますので温和な子が多いよう思います。
まとめ
猫を保護し飼い始めるまでの準備や心得を紹介しました。同じ家猫でも色や柄に違いがあり、海外種の影響がある子など様々です。ですが、どんな猫でも飼ってみれば家族同然でとても大きな存在になります。
もしその様な機会があれば、一度検討されるのも良いと思います。