夏に採集したカブトムシをペアで飼育すると気付かない間に幼虫が孵化している事があります。せっかく生まれた命ですから翌年の夏に成虫になれるよう飼育したいですよね?そんな時にこちらを読んで飼育に役立てください。
カブトムシの飼育方法は別のページで書いてますのでそちらを見て頂き、産卵のさせ方から成虫までをまとめます。
産卵のさせ方
カブトムシのオスとメスは、基本的に別容器で飼育します。産卵を目的とする場合のみペアでの飼育になりますが、その場合でも1週間ほどで同居は終了してください。
1週間同居させた後、オスは通常の飼育に戻しますがメスは産卵セットで飼育します。
産卵セット
マットは幼虫用のマットを使います。
産卵用の容器の半分くらいまでカチカチにマットを入れその上からフワフワとマットを盛ります。全体の8割程度の深さまでマットを入れればOKです。マットを入れ終えたら足場の木片とエサのゼリーをいれましょう。
画像のメスはヘラクレスですが、国産カブトムシもこの様な感じでセットしてください。
産卵容器にへメスを移すと、すぐにマットに潜り産卵を始めます。幼虫で飼育できる数にもよりますが、そのままメスの寿命が尽きるまで飼育するとかなりの数の卵を産みますので、10匹前後の数で終わらせたいのであれば1週間から10日くらいで別容器に移し産卵をストップさせてください。
全く産んでいない場合もありますので、できれば一度マットを確認すると良いでしょう。
マットの加水について
マットを使用する際は新品のマットをそのまま使うのではなく、ガス抜きと加水を行います。
大き目の容器にマットを出し、ギュッと握りしめ団子状になるくらいまで水を加えかき混ぜます。その後2日から1週間ほど蓋をした容器で臭いが消えるまで待ち使用してください。
マット交換
産卵から1カ月ほどすると幼虫が孵化しています。容器の外から確認できる場合もありますが、今は我慢しそのままそっとしておきます。更に2カ月ほど過ぎたころ1度マットの交換をしてください。
容器内のマットをコンテナなどに全て出し幼虫の数を把握します。幼虫の数に応じ容器を増やし飼育しましょう。
- 小容器で1~2匹
- 中容器で3~5匹
- 大容器で5~10匹
容器に加水した新しいマットを8割の深さくらいまで入れ、その容器の中に飼育可能な数の幼虫を入れます。マット交換はこれから定期的に続けていきます。交換の目安は容器内のマットがフンだらけになるか2~3カ月ほどたった時期になります。マット交換は年が明け春になるまで定期的に繰り返します。
マットは幼虫のエサになるので、交換を怠ると成長が悪くなったり最悪死んでしまいます。
サナギになる時期
数回のマット交換後、最後のマット交換はゴールデンウィーク前合わせてください。それ以降は幼虫がサナギになる時期に入りますので、絶対に触らないようにしましょう。容器の外からサナギが確認できる場合もありますが、マット内でサナギになると羽化時期もわかりませんので、掘り返したりせず、夏に自力で外に出てくるまで待ちます。
どうしても蛹を観察したいのであれば、最後のマット交換時に容器を観察可能な物にしましょう。
こちらの容器に入れれば、観察できる確率が上がります。
いよいよ羽化時期
ゴールデンウィーク後にサナギの時期を迎えると、6月中から7月くらいが羽化時期になります。サナギが観察できていれば目視できますが、そうでない場合は毎日外に出てこないか観察しましょう。
間違ってもマットを掘り起さないようにしてください。羽化したばかりの成虫の羽が変形したり、まだサナギであれば誤って潰したりする事があります。
羽化したばかりの成虫は体内を整える為、数日エサを食べない場合があります。その間はまだ無理に触ったりしないようにします。ゴソゴソ元気に動き回るようになれば成熟した成虫です。
成熟したオスとメスは別容器で飼育するようお願いします。再度幼虫飼育にチャレンジしたい場合のみ同居させ累代飼育をしてください。ここで注意して欲しいのですが、累代は5代が限界で、それ以降は産卵数が減ったり羽化しても不全で死んでしまう場合が多くなります。できれば数年に一度はオスメスどちらか片方を他より迎えるようにしてください。
まとめ
カブトムシの累代飼育はクワガタなどに比べ非常に簡単です。オオクワガタは産卵する木を用意する事から始め、孵化した幼虫は1匹づつ菌糸ビンで個別飼育になります。その分、生体の価格も高額になりますけどね。
カブトムシは採集可能な虫ですので、昆虫採集から始め成虫の飼育をし、幼虫まで飼育できればパーフェクトでカブトムシ制覇です。小学生なら夏休みの自由研究にもなりますしね。
ですが注意点として思った以上に数が増える事もあります。ですが途中で投げ出さず数が増えた場合はお友達に差し上げるなどしてください。国産カブトムシなので採取した場所に戻しても問題ないですけど。
では親子で是非楽しんでください。